山口謠司

出版物

『書いて覚える語彙力アップドリル (扶桑社ムック)』

書き込みながらどんどん語彙力がアップする
ビジネスシーンや日常生活で使えるとグレードアップ!
話し上手になる385問を収録!
今日からあなたもトライしてみよう!

語彙力をアップするために大切なのは、ありとあらゆる機会を見つけて、新しく覚えた言葉を反復練習することです。
 落語家が何回も何十回も、何百回も繰り返して、ひとつの噺に、丹精を込めて命を吹き込むように、みなさんも、ここで覚えた語彙、ひとつひとつにみなさんならではの思いを注入して、自在に使えるようにして下さい。
 明治五(一八七二)年、福澤諭吉は、『学問のすゝめ』(初編)を出版しました。
 本書の冒頭にある「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」という有名な言葉は、「明治」という新しい時代の幕開けを象徴するものです。
 江戸の終焉とともに「士農工商」という身分制度がなくなり、自分の裁量で自分の人生を切り拓くことができるという時代がやってきたのです。
 ですが、武士も、庶民も「自分の言葉」を持ってはいませんでした。
 武士の言葉は「謡曲」で習った言葉、庶民の言葉は「浄瑠璃」の言葉です。「こう言っておけば間違いない」という借り物の型通りの言葉です。
 でも、福澤諭吉や伊藤博文など、明治時代を切り拓いていく人たちは、「自分」なりの言葉と語彙力を身につけていたのです。
「自由」「平等」「博愛」「権利」などの言葉は、明治時代になって、わが国を発展させるために作られた言葉です。
 そして、彼らは、こうした言葉に、命を吹き込んだのです。
 決まり切った言い方、語彙だけではなく、自ら新しい時代を創るためにも、ぜひ、新しい時代の「語彙」を創り、語彙力をアップして頂きたいと思うのです。

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