ワニブックスより『現代エッセイ訳 徒然草 (ワニブックスPLUS新書) 』を出版しました


私が、はじめて『徒然草』をおもしろいなぁと思ったのは、高校生の時でした。
「桃李もの言わざれども、下、蹊【みち】自ずから生ず」という故事成語を教わってまもなく、『徒然草』の「桃李もの言はねば、誰とともにか昔を語らん」(第二十五段)という言葉を、受験参考書で見たときです。
おもわず、ぼくは、笑って膝を打ってしまいました。
なんと、上手いパロディをする人か!と思ったからです。
さて、高校生の時から、はや、四十年程、私は折に触れて『徒然草』を読んで来ました。
それなりの人生の苦しみや悲しさなどもあったわけですが、『徒然草』に散りばめられたパロディが、じつは深い人生への考察から滲み出たものだということを、今さらながらに感じるのです。
時代が移り、以前は華やかに栄えていたところも荒れ果ててしまい、しかし、そこには昔と同じように、季節が来れば桃やスモモが実を付ける。あそこに住んでいた人は亡くなってしまって、もう誰もいない。当時のことを誰と一緒に語ろうか。「桃李もの言はねば、誰とともにか昔を語らん」とは、じつにそういう言葉だったのです。
哀しみや深い人生への想いから出て来る笑い、『徒然草』は年齢を重ねていくごとに楽しめる古典ではないかとしみじみ思います。
この度は、私がいいなぁとこれまで思ってきた五十一の『徒然草』の言葉を選んで、意訳し、随筆風に解説を加えさせて頂きました。
少しでも、『徒然草』の言葉が、皆様の心に届けばこれほど嬉しいことはございません。
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