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愛川 晶黄金餅殺人事件-昭和稲荷町らくご探偵

  • 古刊

大平信行

『黄金餅殺人事件-昭和稲荷町らくご探偵』

出版社 中央公論新社
発売日 2018/10/23
言語 日本語

通勤用にと支給された定期券を、休日には使わず、わざわざ切符を買った律儀者。
アーモンドチョコレートに種があると驚いたお茶目さん。
「ばかやろう」やら、「ごくろうさまぁ~」やら、間延びした物言いでも有名な、最後の江戸っ子。
名人・八代目林家正蔵(彦六)を知ってるかい?
そんな彼を「高座のホームズ」と称して主人公に抜擢した異色ミステリー。
それが本作『昭和稲荷町らくご探偵』シリーズである。

私の本作との出会いは、先日のテレビ番組『笑点』にて。彦六の直弟子・木久扇により宣伝されていた。
落語家を主人公とした探偵もの?おいおい、冗談キツいぜと、鼻で笑いながら調べてみて、あーらビックリ。
著者は、鮎川哲也賞に輝いたこともある推理作家の愛川昌氏。
これはもしかすると、もしかしたりして……
本作は2作目にあたるシリーズものだが、前作を知らずとも楽しめる。前作を読んでいない私が言うのだから、間違いない。
ミステリー小説としては勿論、噺家たちの粋な掛け合い・雰囲気も心地いい。知らなくても問題はないが、落語「黄金餅」のネタを知っていれば尚のことニヤリとさせられる場面もある。

特にサゲ(噺のシメ)が……というのを、語ってしまうのは無粋だろうて。この辺で閉めさせてもらうが、最後にこれだけは言っておこう。
『昭和稲荷町らくご探偵』とかけまして、パンダと解きます。その心は?
……面白い/尾も白い、と。
お粗末様。