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澁澤秀雄 著 『明治の読本』

  • 古刊

山口謠司

澁澤秀雄 著
『明治の読本』
1978年(東京、北洋社)

著者、澁澤秀雄(1892〜1984)は、「日本資本主義の父」と呼ばれる澁澤栄一の四男。

本書の冒頭に記されるが、著者は、明治三十二(1899)年に数えの八歳で東京高等師範学校附属小学校に入学した。
この本は、氏が実際に学校で習った『尋常国語読本』『高等国語読本』『高等小学修身書』『小学日本歴史』を引きながら随筆にしたものである。
 当時の教科書は、現在ほとんど覆刻されていて見ることができるが、実際に明治時代に生きた人が、なにを考えながら、どんな状況で、教科書を読んでいたのかを知るにはとてもおもしろい。
 そして、なんと、この本の企画をして、澁澤秀雄に書くことを勧めたのは、『小林秀雄』『漱石とその時代』などで知られる文芸評論家の江藤淳(1932〜1999)だったとのこと。
この辺りの人間関係も、分かっているようで分からないことが多く、とてもおもしろい。