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春風亭一柳『噺の咄の話のはなし』

  • 古刊

大平信行

239ページ
出版社: 晩声社 (1980/12)
ASIN: B000J82JMK
発売日: 1980/12

その昔、古代ギリシャ悲劇と喜劇の流行は、時代の隆盛と衰退に反比例するごとく流行ったというが……
今なお落語会に歪みを残す、落語協会分裂騒動の重要資料にして、師匠・6代目三遊亭圓生に振り回された悲運の弟子・三遊亭好生(のち春風亭一柳)の回顧録。
「師匠が死んで嬉しかった」
師匠を敬愛し、しかし師匠に疎まれた芸人人生。その末路を思うには、あまりにも皮肉なる物語の結末。かの芥川龍之介の『歯車』にも通じる、強烈な死の臭いがここにはある。人によっては、不快感を覚えるかもしれない。
あまりにも不器用な。あまりにも一途な。
そして、「好」きに「生」きられなかった「一流(一柳)」の噺家の物語。
……落語の多くは滑稽噺。しかし、それだけではない。
だから、あえて言う。この話は笑えない。