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小池壮彦 著『東京 記憶の散歩地図』

  • 古刊

『東京 記憶の散歩地図』
小池壮彦 著

単行本: 311ページ
出版社: 河出書房新社 (2016/3/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309277098
ISBN-13: 978-4309277097
発売日: 2016/3/28

「まえがき」にこんな文章がある。
「子供のころ、「川向こう」という言葉をよく聞いた。仄暗いニュアンスの表現で、子供心に禁忌のにおいを感じていた。その記憶の淵源をたどると、川を境界として棲み分けた太古の人々の精神文化の違いに行きつく。高台と低地でも住人の意識は異なっていた。
 人のいとなみが、古来、地形によって左右された。丘の上には神を祀り、崖には横穴を掘って死者を葬った。そうした場所にはいまでも古い神社がある」

渋谷の再開発も含め、東京オリンピックに向けてと地震対策を理由に、東京は大きく変わりつつある。
木造の古い家が壊されると、昨日まであった細い道もなくなってしまっていたりする。
著者の小池氏は、ぼくと同じ1963年生まれである。だからだろうか。読んでいると、なんとなく親近感が湧いてくる。
本書は、東京の名所旧跡を訪ねる地図ではない。ありふれた東京の裏通りに、古人たちの足跡を聞く地図本である。