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養老孟司『遺言。』

  • 古刊

大平信行

『遺言。』
著者:養老孟司
新書: 192ページ
出版社: 新潮社 (2017/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 9784106107405
ISBN-13: 978-4106107405
ASIN: 4106107406
発売日: 2017/11/16

「この本は本ですから。大丈夫、墨が塗れます。気に入らなかったら、そうしてくださいね。」

上記は「はじめに」と題した本著の冒頭部7頁より引用したが、
養老孟司という人は不思議な人だと思う。
Wikipediaでも覗けば出てくることだが、この方は東京大学名誉教授の肩書きをお持ちの上、執筆業の分野でも功績のある大人物なのだが、
物腰が……低く見えて低くもないのだが。

とにかく、本の話をしよう。
アーネスト・ヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』にて、死に際に救助ヘリの中からキリマンジャロ山を見下ろした瞬間に顕著なように、どうにも人にはそういうところがあるらしい。年寄りがやけに昔の話をしたがるのは、それが前提にあるとも考えられるが……
それならば、遺言とは?そう題した本は色々あるのだが、大抵は説教くさくて敵わない。
では、養老孟司さんは?
執筆理由は船の中で暇だったから。80歳で平均寿命が……とも語っているが、こちらはどうにも後付けくさい。
それから章題をひとつひとつ見ていくが、あまりにも種々雑多。何が書きたいのか分からない。じゃあ最後まで読めば分かるかっていうと、こういうやり方もあるよって投げやりな感じがする。

いいじゃん、もっと気楽に生きなよって、
そう言われた気のするヘンな本。ヘンな遺言。
……まあ、面白いよ?