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『文豪たちのラブレター』

  • 古刊

平 空

『文豪たちのラブレター』
 著者 別冊宝島編集部編 
 発行 宝島社
 2018.9 発行

私が
大好きになった作家は、
夏目漱石だった。

高校二年生の夏のことだった。

今後の進路に悩んでいた当時の私は、
国語の教科書で出逢ったその人のことが
知りたくなり、
大学は文学部へ進むことを決めた。

本嫌いな
私が
感銘を受けたのは、
漱石の文章力・作品力だった。

名前は、固そうなのに
(怖そうなのに)
文章が面白い。
(ぐんぐん読んじゃう)

教科書で出逢った作品以外を
読んでみたくって
読んだ作品が
『吾輩は猫である』だった。

オヤジギャグのような作品に
高校女子の心は、踊らなかった笑。

ただ、好きになった作品と
どうしたら そんな風に文章が書けるようになるのか
謎が解きたくって文学部の門を叩いた。

近代文学の作家たちに
本気で出逢ったのは、入学後のことだった。

そんな
私が好きな文章を書いていた時代の
人々が書いたお手紙のお話が本書である。

本書のいいところは、
お手紙に入る前に
簡単な当時の解説と状況説明が
ついているところ。
近代文学入門者でも読みやすく
工夫されている。

そして、
近代文学ファンにとって
嬉しいことは、
『お手紙』の内容が、
きちんとそのまま、
(ほぼ中略なく)
原文のまま表記されている
ところだ。
(中には、長くて前略・中略・後略あり)

研究者目線でいくと。。。
大いにここは、
紙を使って
たっぷり原文を載せて欲しい
ところではあるが、
万民むけとなると
略も必要なのかなぁ。。。
(淋しいなぁ。。。)
と思いつつ。

手紙好きな私としては、
好きな作家さんたちも
筆まめだったことが分かり
大いに心が躍った瞬間だった。