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『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』

  • 古刊

櫻庭凌也

『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』
著者 pha
出版社 幻冬舎
発売日 2015/5/26
言語 日本語
ISBN-10 434402768X
ISBN-13 978-4344027688

適度に休むことも大事だと言われるが、今の世の中で出来ている人はいるだろうか。

私はつい数ヶ月前まで就職活動をしていたが、バランスを保っていたかと言われれば微妙だ。書類作成や面接の予定に追われることが多かった。やることだらけで、それ故息苦しさを感じることも多かった。息苦しさと言えば世の中を生きていれば必ず感じることだろう。

今回は、世の中を賢く楽に生きることを説く本書について触れていきたい。

先に言っておくが、著者は相当の変わり者である。京大卒でありながら社内ニートになり退職。その後、シェアハウスを立ち上げ、そこに住みながらブログでお金を稼ぐという省エネ生活をしているのだ。本書以外の著書には、『しないことリスト』『ひきこもらない』などがある。そんな著者が本書で説くことは、エネルギーを使い過ぎないで生きるコツである。中でも重要なのが、人間関係を築くこと、自分の価値観を明確にすることの二つである。

元ニートが人間関関係を築くのを推奨することは意外かもしれない。見解は的確だ。職場や家族など限られた関係の中ではどうしても精神的に疲れてしまう。疲れをとるには、距離を置くのが良いそうだ。方法としては、それらとは別の人間関係をつくることが挙げられるそうだ。また、一人になる時間を作ることも有効らしい。これらの方法は良い意味で逃げ道を確保することだと思った。上手くいかないなら逃げるという発想なのだろう。

著者は自分の価値観を明確にすることも推奨する。簡単に言えば、自分好き嫌いをはっきりさせることである。簡単なことのようだが、出来ていない人もいるだろう。自分の好きな価値観がわかれば、他人と比較せず自分らしく生きることができるのだ。著者に言わせれば「今は今までで1番自由な時代」なのだ。自分らしく生きることが可能な時代になってきているそうだ。

本書の本質は、著者の生き方は一つのサンプルであり、捉え方は読者次第としている所にあると思われる。著者の考えはミニマリストのそれに似ているが、他の価値観の良さも認めているのだ。人によって会う部分、合わない部分があることを認めている点が魅力的である。

本書は癒しが欲しい人におすすめしたい一冊である。楽な生き方を選ぶことが自分にとっての薬になるのかもしれない。