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『僕たちはもう働かなくていい』

  • 新刊

大平信行

新書: 205ページ
出版社: 小学館 (2019/2/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4098253402
ISBN-13: 978-4098253401
発売日: 2019/2/1

ボク、ホリエモン~。タッタラタッタ~と、
不思議なポッケから垣間見せる「未来」の話。
……堀江貴文を馬鹿にしてるのかって?
ほんの茶目っ気だよ~。いちいち悪い方に捉えてたってしょうがないでしょ?
まずは、そんなところから始めてみようか。

以前、友人との会話の中で、「AI(人工知能)の発達で、社会はどう変化するのか?」という議論になった。その友人はAIに人間が支配される、または滅ぼされてしまうという発想をしていた。それは映画『ターミネーター』シリーズか、関暁夫の都市伝説辺りの影響であって、どうにも納得できるようなできないような。
一方、筆者の脳裏に浮かんだのは、古代ギリシャ・ローマ社会。奴隷労働のお陰で、自由民は働かず、パンを貰い、見世物を楽しむ生活をしていたという。我々が進んでいく未来は、実はそんな風に、奴隷の代わりにAIがいて、人間は遊んで暮らせる世界だったりするのでは?
……なんて都合のいいことを考えていた。
これをもっと理論的に、また現実的に突き詰めたのが、本著『僕たちはもう働かなくていい』ではなかろうか。

著者はホリエモン(と最近呼ばれてるとこは見ないが)こと堀江貴文氏。筆者はまだ幼く、当時のことは詳しく知らないが、堀江氏といえばライブドア事件で一時は服役していた過去のある人物。そんな暗い過去とは裏腹に、本人の発想は実にポジティブかつユニーク。
内容そのものは「今AIにはこんなことが出来る」という事実確認の繰り返し。シビアに言えば、そんなものはニュースやバラエティー番組でも聞けそうなもの。ただ違うのは、「何をしなくて済むか」という視点があることだ。ちょっとした言い方の違いだが、専ら語られるのはAIによって「仕事を奪われる」こと。働く場所がなくなるじゃないか?というマイナスな捉え方をせず、働かなくてよくなるんだよ?便利になるんだよ?と肯定する。

思えば、チェスや将棋、囲碁でAIが人間のプロを破る例がいくつも上がっており、今更AIを無視することはできない。
ただし、AIが現れたことで、それらゲームがつまらなくなっただろうか?
むしろ、人間が思い付かなかった新しい戦術が編み出され、日々進化している。現に将棋の世界で様々な記録を更新した藤井聡太七段も、AI将棋ソフトを研究していたという。

馬鹿と鋏は使い様。気は持ち様である。
司馬遼太郎も言っていたろう?
「君たちの未来が、真夏の太陽のようにかがやいているように感じた」と。
みんなみんなみんな~、叶えてくれる。
便利な道具で叶えてくれる。
とっても大好きホリエモンな一冊。