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樋口通子『かみさまからのおくりもの』

  • 古刊

神亜莉沙

『かみさまからの おくりもの』
著者 樋口通子
発行所 こぐま社
発行年 1984年9月25日

久しぶりに我が家の棚を何気なく漁ってみると、幼い頃に読んでいた絵本たちが顔を出した。真面目に手に取り、そして声に出して読むのは何十年ぶりかである。

本書より
「あかちゃんが うまれるとき かみさまは ひとりひとりの あかちゃんに おくりものをくださいます」

暖かいお布団の中で絵本を読み終わった後、母親に対して子供は、「ねぇママ、かみさまはわたしになにをくれたのかなぁ…」と眠い目をこすりながら問いかけるであろう。
我が子の良い所を素直に語る母親もいれば、「自分で考えてごらん?」と問いかける母親もいるかもしれない。
私がもし母親の立場であれば意地悪だが、後者の方を選択する。確かに肯定的なことを思うままに言うのは簡単だし、子供も幸せな気持ちで眠りにつくだろう。しかし、自己を見つめる時間を与えることによって、「自分という存在は誰にも変えられない素晴らしいものだ」ということを、改めて気付かせるきっかけとなるのではなかろうか。

また、読み進めていくと「くださいます」や「かしこまりました」など、文中に敬語が使われていることが特徴的である。絵本を通じて日本語を正しく使う訓練をすることは、大人になった時に必ず役に立つであろう。

私は大人になった今でも、「神様は私に何を贈って下さったのか?」ということが恥ずかしながら分からない。そのためか、生きている意味がはっきり見えてこないのだ。しかし、この絵本を久しぶりに手に取り、自分にしかない何かを模索したいなと思った。

あなたが神様から授かった贈り物は何ですか?それが明確になれば、誰に縛られることなく、ありのままの個性を大切にしたい!という思いがより一層、強くなるかもしれません。